あたしが、ずっと良くんを想っていたように。 良くんも、ずっとあたしを想っていてくれて。 しかも良くんは、子どものころの約束を実現すべく、 歌手になって、医学部にも合格してくれたなんて。 まるで、夢のような結末。 「来年の春、僕、東京に来るから。そしたら、ずっと一緒にいよう」 良くんは、あたしの手の甲にキスをした。 それから良くんは、あたしの手をそっと離し、 そのまま右手をあたしの肩に回してきたと思うと、 左手であたしのあごをとらえた。 そして、ゆっくりと近づいてきて……