あたしがゴクリと息を飲んだとき、 良くんが立ち上がった。 「……まりちゃんのママの、手づくりマカロンを食べることー!」 そう言って、あたしにブイサインを向けてくる良くん。 「な、なにそれー。じゃあ、また今日もうちに来る気?」 「ホテルよりもまりちゃんちの方が居心地いいから、むしろ泊まってしまいたいっ」 「ダメに決まってるでしょうが」 そんなことを、笑いながら話し合っていたとき。 良くんが、「あー」とテラスの奥の方にある花壇を指差した。 「ホタルがいたっ」