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翌朝、目が覚めると、あたしは真っ先にドレッサーの前に駆け寄った。


――良かった、目、はれてない。


昨夜はかなり泣いてしまったから、目がはれていたらどうしようかと思った。

今日も、撮影あるし。


部屋から出ると、リビングの方から、ママの笑い声が聞こえてきた。

こんな朝早くからそんなに笑えるテレビでもやっているのかなぁ、と、ぼんやり考えながら廊下を進む。


「おはよう~」


あくびをしながらリビングのドアを開けると、


「あ、おはよ!」


リビングとつながるダイニングルームで、
テーブルについている良くんが右手をあげた。