「1時間後に上条くんのレッスンの予定が入ってるんだけどね、上条くん、早めに来てここで台本の読み合わせがしたいから、少し待っててくれって言ってたよ」


「あ、そうなんですか」


先生が出て行くと、あたしは、司が来るまでピアノを練習していようと、ピアノの前に座った。


鍵盤に指を下ろして、一音弾いたそのとき。

静かにドアが開いた。