~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~

少し言いづらくて、口ごもってしまってから。

「あのね」と、内緒話をするように両手で口元を囲うと、

名取さんが少し腰をかがめて、あたしの方に頭を寄せてきた。


あたしは、その耳元で、小声で話す。


「キスシーンがあったでしょ」


「え? ああ」


「あれって、本当にしなくても大丈夫だよね?」


「本当にしなくても……って?」


名取さんが姿勢を戻し、怪訝そうな顔であたしのこと見た。

あたしは、

「だって、ほら」

と話を続ける。


「カメラの位置で、うまく顔が重なっているように見えるように撮れば……
本当にキスしなくても、なんとかなるよね?」