寮に入る日。



「荷物は…これだけっと」


多くない荷物を持って、彼女は家を出ようとした。

家具はついているんだし、それほど家庭に負担させない。


凛の母は仕事に行く前だった。

幼い妹をつれて。



「気をつけてね、凛。いつでも帰っていらっしゃい」


「……うん、母さん。行ってきます!」


凛の母は働き過ぎか、凛が幼いころの記憶より、ずいぶん痩せてしまった。



学園にはいったら、またバイト生活であろう。


しかも、母や妹に仕送りも送らなければならない。