実瑠來が部屋を去り、辰樹と2人になる。




「た……「実瑠來様のことですよね。梛咲様が好意を寄せられている中で、申し訳ないことをしたことは分かってます。」




俺より辰樹が先に言葉を発した。




そうだ、わかってんだろ?俺が実瑠來を好きなことを。




……ん?




「っ!?は!?お…俺が実瑠來のこと好きだって言った!?」




「随分前から知っていますよ。隠していたつもりですか?」




「じゃあ、なんで…。」




「僕はこの実瑠來様への気持ちは消すべきだとずっと思っていました。だけど…やっぱり僕は実瑠來様が好きなんです。」




固まる俺に辰樹がすらすらと言葉を続ける。




「意気地なしでいる自分が嫌なんです。…僕は梛咲様と違います。」




「なんだよ、それ。」




口ではそう言ったけど、辰樹が言いたいことはわかった。