「あぁ……もう、なんなんだよ…。」



実瑠來が部屋を出て行ってすぐ、そう呟いた。



どうしてこんなにイライラするんだろ……。




別に、実瑠來が言ったことは間違っているわけではない。



実瑠來以外の会社の娘と結婚しても、いい利益になる会社もあるのは事実だろうし。



会社のための結婚だってこともあってる。



……そうだ…あってるんだ……。




俺は、決して実瑠來のことを……。




……好き、だなんて…思ってない。




あいつの側にいるだけで幸せそうにしている実瑠來を見ても、別になんとも思わないし?




あいつにキスされてるの見ても、別に嫉妬しないし……?




あいつが付けたキスマークを見ても、別に……実瑠來を壊してやろうなんて…………思わない。