いまため息をついたこの人は、わけあって今は私のご主人様である。




名前は八代 梛咲(やしろ なぎさ)。





私と同じ16歳で高校1年生。





「仏頂面なんかしてないで早く支度しろよ。」





あーもう。嫌味ばかり言うんだから…。




他にもメイドはたくさんいるわけで、私以外はそりゃもちろん優秀なのにわたしにばかり頼んでくる。





私がこんなだってことを知ってるはずなのにさ。





そんな私の名前は崎野 実瑠來(さきの みるく)。




梛咲様のメイドとして隣の自分の家からこっちにきたのは2年前。




梛咲様と私は幼馴染み。




お互いの両親がみんな同級生同士で仲良しだったから家はすぐ隣に建てたみたい。