どうしてもっと早くに実瑠來の心を掴めなかったのかな。



さっき梛咲にもっと強く当たってやろう…実瑠來は渡せない!とか言う覚悟で梛咲の部屋に行ったのに…。




結局、梛咲を勇気づけてしまった。




どうして実瑠來は僕じゃない?…僕なら女の人からの人気は梛咲ほどないし、実瑠來を安心させることができる。



そうやって、実瑠來の想いに気付いた時からずっと思っていた。



でも勇気付けしてしまったのは、梛咲には本当に感謝しているから。…だと思う。



母さんも父さんを小さい時になくして、行くところなんてなかった。





僕は梛咲がいなかったらきっと、今までこんな幸せな人生はなかったと思う。