「実瑠來さんのお屋敷からここまで遠かったでしょう?」



「あぁー…少し時間かかりますけど途中とか寝てたのであっという間でしたよ!」




梛咲のお父さんの会社の副社長の息子さんとお話をしているときに、梛咲がいつものように女の子たちに囲まれて離れたところに移動したのがみえた。




「実瑠來さん、今日はどれくらいまでいられるんですか?」




「……あっ、えっと…とりあえず、梛咲に合わせる感じなのでまだ決めてないんですけど…明日も期末テストあるので早めに帰ると思います。」




「実瑠來、そろそろさっきのとこ戻ろう?僕この人苦手なん……「お、緒方さんっ!」




耳元で小さくそう言った辰樹も女の子に声をかけられたみたい。




「あっ…えと、申し訳ないんですが今は少し…。」




「辰樹、大丈夫だよっ!女の子、お話したいみたいだもん!!またあとでさっきの場所で待ち合わせね?」