あれは、俺が8歳のときだった。


家に居て宿題をやりながら、外の風景を眺めていたとき、ふとある光景が目に入ったんだ。


ある優しそうな、嬉しそうな表情でみかん畑を手入れしている叔母さんが目に入ったんだ。


それで、気になって家を出て遊びにいったんだ。


『こっちかな?』

ある程度進むと

『ふふっ…綺麗なオレンジ色のみかんに育ったわね。』

どこからか、透き通るような声が聞こえてきたんだ。


それと同時に甘い匂いが俺を包むようにして俺の背中を押すように誘導してくれた。