「ゆか、そろそろ帰るよ。」
「送ってく。」
「近いから大丈夫。」
「でも何があるかわかんないでしょ?」
ゆかりちゃんの家は本当に近くて、
5分も掛からなかった。
「祥吾くんは1回もこんな風に送ってくれたことなんかなかったな。」
「なんか祥吾らしいけどね。」
「今日で見切りが付いた。いっぱい考えたけど、幼なじみのままでいられたらそれでいいなって。ゆかもまたこれで新しく進める。純くんは?」
「分かんない。僕はさりちゃんの隣りに居られればいいんだ。好きな気持ちはいつまで経っても変わらないし。」
「そっか。送ってくれてありがとう!あと、今日はたくさん心配してくれて嬉しかった。ストラップ!大事にする。」
やっぱりゆかりちゃんの笑顔は安心する。
でもどこか儚げで、壊れてしまいそうな笑顔だ。
中学生の甘くて、淡い恋が今日一つ終わった。
こんな風に僕もさりちゃんに見切りを付ける日が来るのだろうか。
あまり考えたくなかった。


