君想い【完】


祥吾の家は僕たちの駅より一駅先で、
見慣れない駅に降りた僕は少し緊張した。

何よりこの後問題が起きないか心配で、
僕をより緊張させた。


「ゆかりちゃん大丈夫?」

「え?」

「その、祥吾の事。」

少し黙ってから、笑った。

でもさっきとは違う、ひきつった笑い方だ。


「知ってるんだ。」

「あの、プールのとき見ちゃったんだ。」

「そっか。いたもんね。純くんも。」

「平気じゃないなら帰ろう。僕も一緒に帰るし。」

「純くんは?中澤さんのこと。」

「僕は平気。慣れたから。」



なんて強がりを言って、笑った。

同じ教室にいたくない程、2人の姿が見たくないのに平気なわけない。



でも今は、ゆかりちゃんの笑顔がないことのほうが心配だった。