君想い【完】



ギュッと僕の後ろで、手を掴み歯を食いしばっている。


さっきまでの笑顔はもうどこにもなかった。


トシと目を合わせると、トシの横で香代もまた暗い顔をしていた。

たぶんゆかりちゃんの相談を聞いていたから知っているんだろう。


「行く!行こう。ねえ?純くん。トシ、香代!」

意外な言葉に僕たちはびっくりだった。

「行ってもいいかな?」

「あ、うん。いいけど。」

僕が小さな声で祥吾に問いかけると、少し言葉を詰まらせながら了承してくれた。



電車の中でゆかりちゃんは黙ったままだった。



「香代とさりちゃんは初めましてだよね?」

「うん!さりなです。よろしくね!」

「香代です。さりなちゃんの事はよく知ってるよ!可愛いって有名だし。」


少し嫌味の詰まった言葉に僕は冷や汗がでた。