君想い【完】



さりちゃんの下駄箱は

壊れている。

ちなみに教室のロッカーも

壊れている。


先生たちもさりちゃんを見放して直してくれなくなった。


まあもう3回は直したけど、

この結果だ。


壊れた下駄箱の扉は中々開かない。

いつも僕が力いっぱいひっぱって開ける。


「開けばいい。」

壊されたとき毎回さりちゃんはそう言うけど、
結局自分じゃ開けられない。


さりちゃんの場合、
いじめではない。


嫌がらせと、
女の醜い嫉妬。