君想い【完】



冷静で単調な言葉遣いは僕をいちいち緊張させる。

言葉では言わないが、お前は関わるな。
そうはっきり言われてる気分になる。

僕よりさりちゃんを知っている、そんな話し方だ。


「僕は、今のさりちゃんに関わっちゃいけない?」

「うん。なんの力にもなれないからね。」

「麗は力になれてるの?」

「うん。8割くらい。」

ためらいもなく答える麗に恐怖を感じる。

自信がある話し方じゃない。
人を拒絶するような話し方だ。


「でもね、いつか純ちゃんに協力してもらうときが来るかもしれない。でも今のさりなは必死なの。だからこそ今は純ちゃんの力が必要ないのよ。」

「分かったよ。もう何も聞かない。」

「あたし、純ちゃんがさりなを一途に想う気持ちすごく好き。諦めてほしくないし、いつか純ちゃんに気持ちが行けばいいなって思ってるから。」

「うん。ありがとう。」