「この人はね、ママの大好きな人。」
「え?ぼくとパパじゃないひとなのに?」
「いつか祥ちゃんにも分かるときが来るよ!」
祥吾が少し淋しそうにうつむいた。
「この人はね、パパの大好きな人。」
「パパもいるの?」
「じゃあ祥ちゃんにいいこと教えてあげる。」
さりちゃんが写真を一枚一枚順番にゆっくりさしていった。
「ここに写っている人はみんなパパもママも大好きな人なの。」
「この人たちがみんないるからパパもママも今祥吾と幸せに暮らしてるんだよ。」
「ぼくわかんなくなってきた!」
さりちゃんと目を合わせて笑った。
「でもぼくママとパパのこどもでよかった!」
祥吾が僕の腕から飛び降り、丸い瞳を向けて笑った。
優しい風が部屋に吹き込んでくる。


