君想い【完】



「お兄ちゃん。あなたの姪っ子は小学校2年生になりました。パパとママに会ったら孫は立派にランドセルしょってますって伝えてね。あたし榎本家に生まれて後悔してないよ。お兄ちゃんの妹で幸せ!一生自慢し続けるからね。最高なお兄ちゃんがいたことを。」



必死に笑おうとする舞ちゃんの姿が痛々しかった。



「純。」

さりちゃんに呼ばれ、僕はベットに近寄った。



「お前の目を覚ますことが出来なかった。申し訳ない。でもお前との約束は必ず守る。」


さりちゃんの手を取り、強く握り締める。


「僕はこの手を絶対に離さない。さりちゃんの幸せにする。ただ約束してくれ。次にさりちゃんと出会ったときは必ずお前が幸せにしろよ。祥吾、祥吾!」

だんだん機械音に異変が見えてきた。心拍数もおかしい。

でも心臓マッサージができるわけでもない。

何か手が出せるわけでもない。

「祥吾!おいっ!祥吾!」


短く切れていた機械音が耳障りなくらい長い音に変わった。


心拍数の表示は

とはっきり示されていた。

「おいしっかりしろ。お前が言え!」

先輩の医師に背中を叩かれ、足を立たせ、乱れた白衣を治し濡れた顔をハンカチで拭いた。

袖を捲り、腕時計を見る。


「残念ですが、11月16日、午後6時52分。ご臨終です。」