君想い【完】



「あら。純ちゃん。いらっしゃい。」

さりちゃんちの玄関を勢いよく開けると、機嫌良くおばちゃんが顔を出した。
こんな明るい笑顔を見たのは久しぶりかもしれない。

「どうしたの?なんか良いことあったの?」

「さりなが友達連れて来てるのよ。レイちゃんっていう子。礼儀正しくてすごくいい子で。」

「おばちゃん!ちょっと上がるよ!!!」

階段を上がってすぐにあるのがさりちゃんの部屋。
こうやってさりちゃんの部屋に行くのは、年に2回あるくらい。
あとは全部ベランダから。


ノックもしないで部屋のドアを開けた。