涙を流す僕とは反対に、
泣きもせずただ笑っている舞を見て
この子を助けてあげたい。と思ったんだ。
泣いたら
誰かに迷惑が掛かる。
笑って機嫌を取らないと
いつか自分も同じ目に遭うかもしれない。
東龍会で預かってもらっていた3ヶ月で
そう学んだ、と舞自身が話してくれた。
「森下、やっぱお前も無理か?」
「この子の借金が返せたら、もうこの子は東龍と関係がなくなるんですよね?」
「そうだろうな。いつまでも引きずるような人達じゃないし、何より金が欲しいんだろう。あの人たちは。」
「借金はいくらなんですか?」
社長が1本指を出してきた。
「1000万ですか?それをこの子に稼がせろって?」
「血縁だ。仕方ないだろう。」
「僕この子引き取りますよ。」
「本当か?」
車から少量の舞の荷物を運び出し、
社長は笑顔で僕の店を去って行った。
一枚の紙を置いていってもらい、
僕はその紙に書いてある電話番号にすぐに電話を掛けた。


