君想い【完】



「純!」

絵美の大きな声でやっと現実に引き戻された。

「大丈夫?」

「あ、うん。」

「やっぱり中澤さりなはあっち関係と繋がりがあるんだね。もうやめなよ…純。」

「あっち関係?」

「裏のことだよ!だって明らかあの女は裏関係の娘とかでしょ!昨日もすごく怪しかったし。中澤さりなはその怪しい女と歩いてたんだよ!もう純だってかばいきれないでしょ?」

「さりちゃんは…」

「さりちゃんだよ!でしょ?もう聞き飽きた!あんな女想ってても純が可哀想!あたしは、あたしはずっと純だけを見てるよ!あたしは、純が…」

周りの友達がはやしたててくる。

でも、今はその言葉の続きを聞きたくない。今は考えたい事がたくさんある。

今聞いても、その答えはどうせ、一つしかない。

「頼む。今度また聞くから!」

「純!」

「さりちゃんがあんな連中と絡むわけがないんだ!あいつの事があるんだ。絶対絡むわけがないんだ!」

「え?あいつのこと?」

みんなが気に掛けた所で僕は走り出した。

絵美の顔が真っ赤で、目に涙を浮かべてて

もうそれしか覚えていない。