「レイ!行こう!」 あのさりちゃんの一言が頭の中を何周もして僕の中を掻き回す。 地面に足がついていない。 今僕はここにいてはいけなかったんだ。 これ以上大好きなさりちゃんの事を知ってはいけなかった。 大好きなさりちゃんは、大好きなさりちゃんのままでいればよかったんだ。 完全に頭が現実逃避に走っている。 考えないように なにもなかったように 頭の中で今あったことを ハサミで切り取るように 僕は今のことをなかったかのように思い込んだ。