君想い【完】


鳥のさえずりが耳の奥に響く。

瞼をゆっくりあげると、
ベットで寝ていたはずのトシが
僕の布団にもぐっていた。


「トシ!トシ!」

「あれ?俺ベットで寝てなかったっけ?」


目を覚ましたトシが
頭を掻くと、
腕にあざが出来ていた。


「あ、落ちたな!」


朝から笑みがこぼれた。


こんな陽気な朝をすごすのは
修学旅行以来かもしれない。


ディスプレイが光る携帯を開くと、
ゆかから起きたよというメールが入っていた。


顔を洗いに下に降りると
心地よい朝に似合ういい匂いがした。


すでに用意されていたご飯にトシはすぐに顔を洗い、
ダイニングの椅子に腰を下ろした。


もう準備されている顔をこちらに向け
姉貴と朝一番の挨拶を交わす。


僕たちがゆっくりとした朝を迎えていると、
騒がしくチャイムも無しに3人がリビングに顔を出した。


「まだご飯食べてるの?」

香代の大きな声がリビングに響いた。

「今さっき起きた。やっぱ純の家の卵焼きうめえー。」

「純もトシも基本的に朝苦手だよね。」

ゆかが確信をついて、僕とトシは口を閉ざした。


朝らしい会話が繰り広げられる。

その中にさりちゃんがいる事が嬉しかった。