手で涙を拭いながらゆかがやっとの思いで読み終えた。
トシの肩にもたれかかり、香代は涙を流していた。
毎日この手紙を読んだのだろう。
便箋にはたくさんの染みが出来ている。
トシは自分の手で目を押さえて歯を食い縛っていた。
祥吾の思い、
今でもさりちゃんを愛してやまないこと。
誰よりもさりちゃんを思っていたことがあふれ出ている。
「あなたに恋をしてよかった。あなた以上に大切なものはない。幸せになって下さい。あなたを永遠に愛しています。」
天井を見上げながら小さな声で言った。
今下を向いたら涙がこぼれそうだ。
「英語の訳?」
「そう。」
頷くと、目に溜まった涙が落ちてしまう。
一言だけ、答えて天井を見続けた。
「舞ちゃんを探しているの。でも見つからなくて。」
「なんで僕たちに頼らなかったの?祥吾の手紙に書いてあっただろう!僕たちと探せって!何で言う通りにしなかったの?」
祥吾にもらったペンダントを握り締め、さりちゃんはうつむいた。
しばらく黙って、
ベットの写真立てを手に取った。
「これ以上大事な人を失いたくなかったの。」


