君想い【完】



「さりな?」

窓が開く音がして、
振り向くと
香代が立っていた。

「香代も行ったの?香代も会いに行ったの?」

「え?どこに?」

「純。駄目。あたしの事情に関わらないで。駄目。」

香代の後を追うように、
トシとゆかが顔を出した。


さりちゃんは3人の顔を見て、
窓とは反対側の壁に張り付いた。


「みんな知ってるの?みんなで行ったの?」

「中澤?」

「トシもゆかりちゃんも行ったの?ねえ!ねえ!純!」


僕がさりちゃんに目を向けると、
目から止まることのないくらい涙を流し始めた。


「そんな目で見ないで。純じゃない。そんな目は純じゃない!」


自分がどんな目でさりちゃんを見ているのか分からない。

さりちゃんに一歩近付くと
肩を震わせ出した。


「さりちゃん?」

「純は、純はいなくならないって言ったよね?」

「うん。」

「いなくならないで。」

「うん。」

「駄目だよ。あの人に会ったら。駄目だよ。」

「うん。」