君想い【完】



僕が小さな息を吐いて笑うと
さりちゃんの顔が引きつった。


「な、何で?」

「会いに行ったんだ。だいぶ危ない奴だったよ。」

「な、な、何で会いに行ったの?」


首を傾げて笑うと
さりちゃんが僕に掴み掛かってきた。


「ねえ、純!答えて!純!」

「嫌なら答えなくていいんでしょ?」

「純!」


顔が近付き、
さりちゃんの息が僕の顔に掛かる。

佐倉先輩のとった行動を思い出し、
僕はそっとさりちゃんに口づけをした。


「幼稚園のとき、キスの意味も分からないでさりちゃんとしたよね。懐かしい。」


口を拭われるかと思ったが
さりちゃんは拭うことをしなかった。


「純、お願い。答えてよ。ねえ。はぐらかさないで。」


さりちゃんの目に涙が溜まっていく。

流れないように
目に力を入れすぎて、
瞼が痙攣している。