君想い【完】



写真立てを元の場所に戻し、
僕はベットから立ち上がった。

机の前に立ち、
写真を眺めた。


「これどうしたの?」

「麗が写真撮ろうっていうから、撮ったの。」

「笑ってる。」

「え?いつも笑ってるけど。」


僕はさりちゃんに笑いかけた。

笑って笑顔を返してるつもりかもしれないけど、
唇が上がっているだけで笑顔じゃない。


写真だけで
さりちゃんの麗への想いが伝わってくる。


麗を心から信頼している事がわかる。


「ねえ、嫌なら答えなくていいから。でも嘘は付かないで。」

「何?」

「麗に干渉するな、って言われたけどやっぱりまだあたしが何してるか気になる?」


僕はためらうことなく、
間を置くことなく答えた。


「もちろんだよ。気にならない訳がない。」

「だよね。」

「想像は付いてるけど。」

「え?」


僕は笑ってごまかした。

でも引きつった笑いを見て
さりちゃんの顔が強ばった。


「純、その傷。」

「ああ、これ?殴られた。」

「誰に?」

「佐倉龍司。」


ベットに座っていたさりちゃんが立ち上がった。