君想い【完】



「どうしたの?」

「電気が付いてなかったから、いないのかと思った。」

「下でみんなでご飯食べてたから。ちょうど今部屋に上がって来たんだ。出掛けてたの?」


さりちゃんが少し黙って、
首を縦に振った。

前の僕なら
誰と?
とすぐに質問しただろう。

でも質問しなかった僕を不思議に思ったのかさりちゃんから答えだした。


「麗と出掛けてだんだ。」

「そっか。」

「何してたの?とか聞かないの?」

「麗に干渉するなって言われてるしね。」


ベットの上にある写真立てに手を伸ばす。

5枚飾れる少し大きめの写真立てには
中学時代の写真が5枚飾ってあった。


真ん中のハートマークの部分には
祥吾との2ショット。

右上は修学旅行で撮った5人の写真。

左上は僕と入学式前日に撮った写真。

右下は香代との教室内での2ショット。

左下は中学1年生の時に行ったプールでの写真。


さりちゃんの部屋は写真がたくさん飾ってある。


でも時間は中学生で止まっていて、
それ以降の写真は一枚も飾られていなかった。


ただ机に付いているコルクボードに、
学校の日程表の横に麗との写真が貼られていた。


一番新しい写真だろう。


写真に写るさりちゃんは笑っている。


儚げで、
割れてしまいそうな笑顔だけど
確かに笑っている。