君想い【完】



「麗の声じゃん。」

一番最初に口を開いたのは香代だった。

僕はその言葉に頷いた。

紛れもない、
さりちゃんと麗の会話だった。

麗は車から顔は出さなかったが、
確実に麗の声だった。

さりちゃんが玄関の扉を開けるのを確認して、
電気を付けた。


「何?今の会話。」

「話の内容が読めないんだけど。」


沈黙になった部屋に、
僕の携帯の着信音が流れた。


「もしもし?今部屋に上がったけど。うん。トシ達がいる。分かった、行くね。」


携帯を閉じ、
窓を開けた。


「中澤?」

「ちょっと行って来る。」


香代が行きたい、
と言ったがゆかが止めていた。


軋むベランダを渡り、
窓をノックするとカーテンが横に流れさりちゃんが顔を出した。