破片なんかいちいち気にしている場合じゃなかった。
「祥ちゃん、ねえ祥ちゃん?」
足の裏に痛みが走る。
白い靴下に赤い染みが広がっていく。
もう片方の足も切ったみたいだ。
痛みで両足がしびれてくる。
何枚割ったのだろう。
10枚は確実に越えている。
靴下の繊維をかき分けて、破片が僕の足に刺さる。
切れた部分と、破片が直接刺さる部分で痛みが全然違うを痛感する。
「ってえ。靴下真っ赤じゃん。ね?さりちゃん。」
座り込むさりちゃんと目線を合わせ、僕もあぐらをかいてその場に座った。
赤黒い靴下を脱ぎ捨て、破片を一つ一つ抜いた。
足の裏から5つ破片を抜き、切った数を数えようとしたが数え切れなかった。
リビングは破片の海。
でもソファーの裏だけは綺麗なフローリングのままだった。
止まらずに流れ続ける血を、さりちゃんがずっと眺めていた。
「どうしたの?」
「分かんない。どっかで足切っちゃったみたい。」
「大丈夫?」
「平気だよ。さりちゃんの痛みに比べれば僕の足なんて無くなったって痛くないよ。」
「純、どこに行ってたの?」
「ごめんね。ちょっと家に帰ってただけなんだよね。1人にしたごめんね。」


