君想い【完】



「っていうか、何で急に五神田の事が聞きたくなったの?」

「さりちゃんが関わってるみたいなんだよ。この間姉貴が見たさりちゃんと一緒にいた女の子が五神田の1人娘なんだよ!」


ベットのシーツを姉貴がきつく握りしめた。
一瞬で額に冷や汗をかいたのが分かる。


「それやばくない?五神田麗でしょ?顔は見たことないけど、噂はすごくよく聞く。」

「どんな噂?」

「相当キレモノだよ。今の五神田は麗って子が動かしてるの。高校生が裏の世界を動かすんだよ?」

「それはちょっと聞いた。僕さ麗と話したんだよね。」

「嘘?どんな感じだった?」

「死んでる。さりちゃんにそっくりなんだよ。感情もない。話し方が単調すぎて反応出来ないんだよね。」


姉貴が手を体の前で組み、何度も首を縦に振った。


「五神田を動かす人間だもん。そんなもんよ。」


麗の話し方。
言葉の一つ一つが頭の中で何度も再生される。

暗くて、音の無い話し方。