「純!」
集中治療室を飛び出して来たのはゆかだった。
「今、ママから電話があって。」
「君、病院内の電話は禁止だよ。」
ゆかは頭を下げて謝っていた。
僕はゆかをなるべく集中治療室から離した。
さりちゃんに会話が聞こえないように。
「今警察にいるらしくて、祥吾くんの家のことを話したいから家に帰ってきてほしいって。」
「救急車を呼んだのはゆかのお母さんだったの?」
「そうみたい。」
きっとゆかのお母さんが全部知っている。
話を聞くしかない。
警察も、医者も僕たちには何も答えてくれない。
ゆかのお母さんに聞くのが一番早い。
「ゆかの家行こう。」
トシと香代に事情を話し、病院を出た。
さりちゃんは聞く耳持たずで、
香代が無理矢理引っ張りだした。
「祥ちゃんと離れたくない!」
「さりちゃん!祥吾がなんでこうなったか、自分の耳で知らないと。しっかりして、さりちゃんは祥吾の彼女なんだから!」
さっきも祥吾の家の前で同じようなことを言った。
でもさりちゃんは泣き叫ぶばかりで、
僕の話を聞こうとしてくれない。


