「祥ちゃん!」
目の前にいるのは、
僕たちの知っている榎本祥吾じゃない。
たくさんの管に繋がれ、
アザだらけの顔は原型を残していない。
ガーゼや包帯が身体中の痛々しさを現わしている。
何が起きたのか分からない。
「祥ちゃん?」
震える手を祥吾の顔に伸ばし、優しく触れる。
触れ方だけで、
さりちゃんの愛情が痛いくらいに伝わってくる。
「これホントに祥吾?」
トシがぼやく横で、香代は涙を流している。
僕の腕にしがみつき、ゆかが震え出す。
ゆかを抱き寄せ僕は目を祥吾に向ける。
何があったのか。
何が祥吾をこんなにしたのか。


