君想い【完】



低い太い声に反応し、振り向くと門の前にはパトカーが止まっていた。

「警察?」

「君たちは?」

「ここの家の人の知り合いです。」

「この家はもう誰もいないよ。帰りなさい。」

「誰もいないって?」


警察という威圧感に、僕以外は黙りっぱなしだった。


僕は何故か冷静で返事をするのが早かった。


「だから、もうここには人が住んでいないって事。」

「は?榎本さんの家ですよね?」

「もう榎本邸ではないよ。」


僕以上に冷静な警察は低い声で冷めた答え方をする。


「今日まで榎本さんたちが住んでいたのは確かなんです。どういう事か説明してください。」

「君たち中学生だろ。しかも榎本さん家の長男と同級生なら3年生なんだろ?受験もあるんだ、家に帰って勉強しなさい。君たちが知ってもどうなる事じゃない。」

「説明してくれるまで帰れません。」

「いいから!今日は帰りなさい!今ここにいたら君たちまで危ない目に遭う!」