君想い【完】



「お帰り。」


バスから降りると、
さりちゃんに手を差し伸べる祥吾がいた。


「祥ちゃん!」

持っていたお土産を投げ捨て、
そのまま飛びついた。

制服で溢れかえる校庭に
私服の祥吾は浮いていた。


落とされた無惨なお土産を持ち
後のバスから降りてきたゆかを待った。


「祥吾くんじゃん。さりなちゃんのお迎え?」

「みたいだね。」

「迎えに来るくらいなら修学旅行来れば良かったのに。」

僕は首を傾げて祥吾を見た。

祥吾が修学旅行に行かなかった理由は誰も知らない。


先生に聞いても教えてくれなかった。


「よ!さりちゃんの事送ってね。」

さりちゃんにお土産を渡し、
祥吾にさりちゃんを託した。


ゆかの手を引き門を出ると、
前にまだ眠そうなトシの手を引く香代の姿。