さりちゃんの目は真剣だった。
真っ直ぐ僕を見つめ、答える。
でも見つめる先は僕じゃない。
祥吾だ。
「良い思い出がたくさんある。その一つ一つの祥ちゃんを思い出すと好きで好きで仕方ないんだよね。」
さりちゃんの頭を撫でる。
何度こうして頭を撫でたことだろう。
色素の薄い、細い髪は指通りがいい。
「そんなに好きならさりちゃんは祥吾を想えばいい。泣きたいときは僕の前で泣けばいいし、愚痴を言いたいなら僕に言えばいい。」
さりちゃんの真っ直ぐな目を見て、
僕はやっと見切りが着いたかもしれない。
祥吾とさりちゃんが幸せになれればいい。
それに負けないくらい僕とゆかが幸せになればいい。


