君想い【完】



東京駅まで学校からみんなでバスで行く。

いつもより1時間以上早く学校に来るのは新鮮だ。


出席をとるのに、
クラスごとに並ぶ。


ゆかとトシのクラスの中にやっぱり祥吾の姿がない。


朝早いのが苦手なトシは、今にも寝てしまいそう。

名前を呼ばれているのに気が付かないで、
ゆかに頭を叩かれているのを見て僕と香代はお腹を抱えて笑った。


「ださっ。あいつ!」

「何に笑ってるの?」


元気を無理矢理だそうとしているさりちゃんに今の光景を香代が説明していた。


先生が一生懸命、駅に着いてからの話をしているのにあまり聞いている生徒はいなかった。


「いいか!のぞみ113号、新大阪行きに乗るんだぞ!駅で迷ったらちゃんと駅員に乗る新幹線を言うんだぞ!お前ら聞いてるか?」



みんな浮かれすぎて、
話なんか右から左。


僕は方向音痴のさりちゃんを見失わないようにしなきゃ、


と頭の中で繰り返していた。