君想い【完】



「純くん。」


香代がシャーペンで後ろの扉を差した。


席を立って、後ろを振り向くと扉の前で涙を流しながらさりちゃんが立っていた。


紺のカーディガンの袖を伸ばし、さりちゃんの頬を拭く。

そのまま廊下に連れていき、何度も頭を撫でた。

僕の胸元に頭を寄せ、声を押し殺して泣いている。



「祥ちゃん、修学旅行行かないんだって。」

頭の上で手を止めた。


自由行動は祥ちゃんと回るんだ、

何度もそう言って喜んでいた。

その言葉に触発されて、
僕とゆかも一緒に回ることにした。


「ホントに?」

「行かないって。」

「理由は?」

「分かんないよ。」