君想い【完】



最近祥吾は学校にちゃんと来る。


うちのクラスに来て廊下でさりちゃんとじゃれ合っている。


「何で?意味分かんない!」

さりちゃんの声は極めてでかい。
よく通るし、廊下だとものすごく響く。


「喧嘩してるみたいだね。」


授業中に爆睡だった香代がカルピスを飲みながら僕の英語のノートを必死に写していた。


「そうみたい。気にしなくていいから早く写しちゃいなよ。」

「ほーい。」


鼻をすする音が聞こえてくる。
小さい声で祥吾が
泣かないで、
と何度も言っている。


廊下側の僕の席には丸聞こえだ。


「もういい。知らない。」

物と体がぶつかる鈍い音がした。
たぶん祥吾が突き飛ばされて、壁に当たった音。