「ゆか?どうした?」 「ん?何も。」 「祥吾が心配?」 「祥吾くんが心配なんじゃない。あの家のみんなが心配なの。妹に聞いたら、祥吾くんの妹も最近学校に来る回数が減ったみたいなの。」 ゆかは手すりに手をかけ、深い息を吐いた。 祥吾の心配は僕もしている。 トシも香代も。 さりちゃんにおいては、 少し気が参っているくらいだ。 「純!」 とびきりの花の開いたような笑顔を見せ、 非常階段の扉を開けてきた。 「さりちゃん?」