君想い【完】



「そんな噂が流れてるんだ!」

ゆかりちゃんは笑顔でその噂を喜んでいた。


「喜ぶこと?」

「だって嬉しいじゃん!ゆかと純くんがお似合いってことでしょ?」

「全然そんな事は言われてないよ。むしろ不釣り合いだからこんな噂が流れるんじゃない?」

「違うよー!なんか嬉しいなー。」


ジュースを買いにいっている、
トシと香代を待ちながら
寒い屋上でシートを引いて僕は寝っ転がっていた。


直接寝ると、
この時期コンクリートがものすごく冷たい。


ゆかりちゃんがシートの上に膝掛けを引いてくれている。


寒いのに自分はコートを膝にかけているだけ。



いつも僕に気を遣ってくれる。


「ねえ、その噂ホントにしちゃおっか?」

「はい?」