君想い【完】



「なんでそんなにぶすくれてるの?」


夕食の後、僕の部屋で漫画を読むさりちゃんに問いかけた。


「別に。」

「妬いてる?」

「妬くわけないじゃん。」

「じゃあ何?」

「ちょっと寂しくなった。純に彼女が出来たって噂が流れて。」


少しむかついた。

なんて勝手なんだろう。


僕なんてさりちゃんが祥吾と付き合ったって知った時、
寂しかったどころではなかったのに。

ショックと絶望に毎日追われていたのに。


噂だけで
寂しくなった。


勝手すぎじゃないか?


「僕はさりちゃんの何?」