君想い【完】



気が付いてあげて。
さりちゃんは強がりだから、
自分から言えるような子じゃないから。



そう言って、
僕も教室に戻った。


香代が祥吾に何か言っていたけど、
聞こえない。


香代は大好きなカルピスのジュースで
僕の頭をコツンと叩いた。


「さりなちゃんは大丈夫だよ。あたしに任せて!ね?」

「ありがとう。」


もうすぐ本鈴が鳴る。



でも祥吾は非常階段にいたままだ。