君想い【完】




「じゃあさりちゃん、先教室戻ってな。」

「うん!純ありがとう!香代ちゃんも行こう。」

「香代はすぐ行くからさりちゃん先行ってな。」


首をかしげながら踏みつけた上履きを引きずりながら戻っていった。


「香代、まじ頼むよ。」

「わかったって。純ありがとー!あたしもクラスに友達が出来た。」

「2人共派手だしちょうどいいじゃん。」


また非常階段でいつものように心地いい風を浴びながら話していた。


廊下の先からうるさい足音をたてながら走ってくる奴がいた。


僕はそいつを見て
思い切り睨み付けた。


「おはよー。俺遅刻セーフ?いける?」

「祥吾!まだ平気だって。」


トシとの話を割るように
胸ぐらを掴み
階段のフェンスに叩きつけた。