君想い【完】



「今日聞いてみるよ。」

「その方がいいかもね。」


こういうことはいつも1人で考えていた。

でも今回はゆかりちゃんが一緒に考えてくれている。


それが嬉しい。
嬉しいというより、
すごく楽だ。


「純!ゆかり!早くしろよ。」



トシにせかされて急いで屋上の鍵を閉めた。


僕たちの教室の前では
さりちゃんが離れるのを惜しむように、
いつまでも祥吾に手を振っていた。



「さりちゃん!」

「ん?なんだ。純か。どうしたの?」

「今日部活?」

「そうだけど。じゃあ帰ってきたら僕んち来て。」

「え?分かった。じゃあねー!」