「祥ちゃーん。」
僕の気持ちなんて何も知らないさりちゃんは、
毎日のように僕のクラスに顔をだした。
祥吾に会いに。
その度に心が苦しくなる。
僕の気持ち知っていたら、
少しは気を遣ってくれただろうか。
たぶんない。
それでもクラスに来て、
必ず僕にも声をかけていく。
それで幸せを感じる僕は、
ゆかりちゃんより気の毒かもしれない。
昼休みのとっておきの場所は
4人のものとなった。
クラスで浮きっぱなしの香代は
昼休みになるとゆかりちゃんの所へやってくる。
男たちから逃げたがっていたゆかりちゃんは、
僕たちを追いとっておきの場所を知った。


