君想い【完】


「ありがとう。これからはゆかりちゃんにも頼らせてもらうね。よろしくね!」


大きく縦に首を振り、僕の前をスキップして歩いた。

話せば話すだけ、ゆかりちゃんのイメージが変わっていく。


おとなしくて、
純粋で、
清楚なイメージは今はない。



毒舌で、
しっかりしていて、
物事をはっきり言う。

自分の意志が強くて、
でも少し甘えん坊。


どことなく
さりちゃんに似ている。


「あ、それでね!うちの龍太郎なんだけどね!」

「また犬の龍ちゃまの話かよ!」

「あ!龍ちゃまって言った!龍ちゃま可愛いんだよ!」

「ホント気の毒!!!」


望んでいた、
普通の会話がここにはあった。


一線も置いていない、
単純な会話。