君想い【完】


ゆかりちゃんは特に自分の話をするわけでもなく、
僕の好きなものや、小学校のときの話、1年生の時の話を聞いてきた。


「僕の話おもしろい?」

「うん、とっても。」

「今度はゆかりちゃんの事聞かせて?どんな音楽が好き?」


実際お互いのことは何も知らなかった。



詳しいことを話した訳でもなくて、
いつも自然に2対2なって、
ゆかりちゃんは隣りにいた。


それが寒くて寂しかった僕の心の中をいつも埋めていてくれた気がする。


ただ隣りにいただけなのに。


ゆかりちゃんは意外な所がたくさんあった。


こんなに冷静で落ち着いているのに、
ペットの話をすると
表情がころころ変わって、
さらにそのペットには赤ちゃん言葉を使ってしまうらしい。


「超気の毒!」

「うっさいし。」

顔を真っ赤にしながら怒るゆかりちゃんは、

すごく可愛かった。