君想い【完】


自転車乗り場に着くと、
いつものようにトシの自転車に鞄を乗せた。


「あ!純、香代送ってくからゆかりよろしく。」


僕の鞄はいとも簡単に
自転車から降ろされてしまった。


呆気にとられすぎて僕は返事を返せなかった。


自転車は軽い風を受けながら、走っていってしまった。


「何?あれ、付き合ったの?」

「違うと思う。ゆかが純くんと2人にしてって昨日メールで言ったから。露骨すぎるよね。」


僕は露骨なトシより、
冷静に答えるゆかりちゃんに
びっくりした。


「帰ろう。」

「あ、うん。」